【回顧録】 ヒューマンアセスメント HA と ガバナンス、テレワーク、決裁権限

【回顧録】 ヒューマンアセスメント HA と ガバナンス、テレワーク、決裁権限
2021年8月19日 15:55:47 作成
オムロンの管理職試験は結構厳しい方だと思う。 筆記試験は当然あるけども一番の難関は三日間やる研修という名の選抜試験のヒューマンアセスメント研修。 これでその人の心の奥底まで全部さらけ出されてしまうのが非常に厳しい。
一番最初に受けたのは課長試験だったけど、この時はあまりによく分からなかったので、点数は良くなかった。みんなに何でやと言われた。 いずれにしても人数が多かったので1年ほど、他の人と同じように昇進を遅らせられたと思う。 最後の晩に研修センターの地下で講師の人といっぱい飲んでいた時に、もう40でしょう、何を求められているかわかるでしょ、と言われて要するにある芝居をしろと言われたので、ハッと気が付いてそういうことなのかという風に思った。
その後に今度は部長試験のためのヒューマンアセスメントがあったが、その時はもう余裕綽々で、非常に楽しかった。 何かの研修のプログラムが終わって、この中で自分で面白かった人って言うから真っ先に手を挙げたら、私一人だけだった。
特に面白かったのはバスケット処理みたいなので全く知らない立場でに置かれた時に、書類だけが置いてあってそれを処理するという設定で、2時間ぐらいで処理しないといけない設定だが一瞬で終わったような気がする。
これで日頃の仕事の仕方が一発で分かるということだった。 何かぶつぶつ言いながら処理して、順番が無茶苦茶に入っているので一度承認した件が後でひっくり返るということが、ざらにあるんで、最初に全部目を通すとか、出たとこ勝負でやるとか、日頃のやり方しかない。 どっちにして、これには正解がないく、処理のプロセスがチェックされますが、これは楽しかった。
このせいか部長試験のHA成績はむちゃくちゃ良かった。 本当に自分の成績かな、他と取り違えているのではないかと思うぐらい評価が高かった。
この後に信夫さんの面接があった。 良く知っていたので緊張はしなかったが、質問は今やっているWS事業はうまく行くと思うか? 世の中のUNIX人材が今はオムロンに向かっている、この傾向が変わらなければうまく行くと答えた。 一瞬で考え付いたが我ながら良い答えだと今でも思う。 残念ながら、この後のバブル崩壊後には、人材がどんどん流失する事態になり、事業も倒れてしまった。
しかし、今になって思うのは、事業に関して、あまりにもみんなアマチュア過ぎた。 少なくとも数字の分かる人が居なかった。 その後に父親が死んだときに時間があったので、この時にいろいろ勉強できたので、その後のM2M事業とか、試作センターは何とか立ち上げることが出来た。 本当に分かってきたのは、試作センターだったと思う。 もちろんイーストヒルズやディージェイシーも大いに役に立った。 そういう目で見ると、世の中には全く分からずに役員やましてや大取をやっているのが如何に多いか。 分かって愕然とした。 日本経済の疲弊の一端を覗き込んだような気になる。
ヒューマンアセスメントは、なかなか良い方法でテレビで富士通の同じような社内昇進試験が放映されたけど同じような事やっていた。 富士通では取材して放映することにケンケンガクガクあったらしいが、最終的にさすが富士通て内実をさらけ出すことにしたらしい。
中小企業見ても市役所を見ても、昇進過程が非常に曖昧だと思う。 突然明日からあなたら課長ね、みたいな感じで、心の持ち方や方法論が管理職と一般とでは全然やることは似て非なるものだとなっていない。 部長以下一般担当まで同じようにやってる。 いわゆるガバナンスが効いていない。
私の説によると、管理職の必須の仕事は1年で3ヶ月しか必要ない。 別に寝ててもいいはずなんだが、それでは現場がわからなくなるので、私は一般担当の人の仕事を下請けて手伝う事にしている。 やる時はやる人にはっきりと、これは私が下請けをやる、ということを言ってからやる。 そうしないといったい現場で 何が起こってるのかが、まず見えなくなる。
昨今テレワーク流行りだが、電話の一言、メールの一語で、やはり相手の状況を把握しないといけないと思う。そう言う能力を身に着けないといけない。
ISDNが普及しだしたころに、私は部下の課長の家にそれぞれ会社のお金でISDNを張ってテレワークを導入した。どこでもこの地区でISDNは初めてですと言うところばかり。 皆に言ったのは一週間に1日でいいから会社に出てこないようにすること。 それは今のコロナの問題ではなくて、下手に会社に出てくると、いろんな人がいろんな相談を持ちかけてくるので、自分の仕事ができないので、それは家でやりなさい、と。 しかし今のコロナと同じで子供がうるさいとか、自分の部屋がないとか、集中できないとか、今あの頃のリモートワークと同じような不満が出てきた。
それともう一つ言ったのは、オムロンは非常に権限のゆるい会社だった。 今はわからないが、課長は100万円部長は1000万から3000万、1件当たりの決裁権があった。 こんな会社は他では聞かないが、これを最大限に使うべきだが、なぜか課長は自分で自分のお金を使おうとしない。 と言うかよ使えない、使う能力がないので、予算を組むときに、まず100万でもいいから200万でもいいから、自分で勝手に使えるお金をリザーブしなさいと、いうこと言うが、それでもなかなか使えない。 結果的に予算が余ってしまう。
コストセンターの予算と言うのは一種の政策の実現を言っているわけで、予算が余ると言うのは政策が実行されていない、予定した政策が実行されてないということ。 国の昨年度の補正予算も、だいぶ余っているようで、これも実行役の役人の怠慢と言われてもしょうがないと思うが、そう言う論調はマスコミでは出てこない。

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